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退職促す出向命令「無効」

2014-02-23

東京地裁判決 リコー敗訴

追い出す目的で子会社に出向させられ、畑違いの業務を命じられたとして、事務機器大手リコー(東京)の社員2人が出向命令の無効を訴えた裁判で、東京地裁は12日、出向先で働く義務がないことを確認する、原告勝訴の判決を言い渡した。篠原絵里裁判官は、出向命令は社員の自主退職を期待して行われたと認め、「人事権の乱用で無効」と判断した。

リコーは即日控訴した。

判決によると、2人(40代と50代)はともに男性で技術系社員として採用され、研究開発などに携わってきた。リコーが2011年7月、リストラ策で希望退職を募った際、2人は上司から応募を求められ、拒むと、同年9月に出向を命じられた。2人とも子会社で、製品のラベル貼りや箱詰めなどをしている。

篠原裁判官はまず、企業による出向命令は万能ではなく、出向対象者の人選方法や対象者に与える不利益、出向命令の目的などを総合的に考慮して、無効となる場合があるとした。

そのうえでリコーの出向命令を検討。人選について「希望退職を断った全員が対象とされた」と指摘し、さらに、デスクワーク中心の仕事から肉体労働の職場への出向だったことから、「キャリアや年齢に配慮したとは言えず、身体的・精神的に負担が大きい業務と推察される」とした。

判決はこうした事情から、出向命令の目的は「対象者が自主退職するのを期待して行われたもの」と判断。「目的は経費削減」とのリコーの主張を退けた。

一方、「精神的苦痛を受けた」とする慰謝料請求については「出向後も給与額はそのままだった」などとして退けた。

リコーの出向命令をめぐっては社員計7人が同種訴訟をおこしており、今回が最初の判決となる。

控訴したリコーは「主張が十分ご理解いただけない結果となった点は非常に残念。健全な事業の持続と雇用の最大限の確保を実現するために、上級裁判所のご判断をいただきたい」との談話を出した。

追い出し部屋に警鐘

「会社は真摯に結果を受け止め、職場に戻してほしい」「リコーがこれから力を入れていく分野でも力を発揮できる」。リコーの出向命令を無効とした東京地裁判決を受け、50代と40代の原告2人が厚生労働省で記者会見し、復職への思いを訴えた。

希望退職の募集に応じなかったため、2011年9月、神奈川県内の事業所から、東京都内の子会社の倉庫業務への出向を命じられた。空調が利かない倉庫での肉体労働。設計や開発にかかわってきたキャリアがいかせる余地はゼロ。低い評価がつけられ、精神的に追い込まれた。

「形を変えた退職勧奨。じわじわ退職を促そうとするのがゆるせなかった」

労働契約法14条は、「必要性」や「対象労働者の選び方」など総合的に事情を考慮し、出向命令が乱用と認められる場合には無効になると定められている。

今回の判決は、コスト削減を目的にした出向命令自体には必要性を認めた。だが、出向者選びの合理性やそのプロセスの透明性はなかったと指摘。これまでと違う業務に就かせたことなどで、出向がリストラ目的だったことを認めた。

リストラを目的として、労働者を不本意な部署に異動したり、子会社に出向させたりする「追い出し部屋」はほかの多くの企業にもみられる。この判決は、退職強要を目的とした安易な出向命令に警鐘を鳴らした。

(平成25年11月13日 朝日新聞)

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