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変形労働時間制

2014-04-20

未払賃金請求、未払残業代請求、不当解雇、不当懲戒など個別労働紛争に適切に対応するには、労働法の知識が必要です。労働問題に関する重要な法律知識を身につけましょう。

 

変形労働時間制

繁閑の差など事業の必要性があって、法定労働時間の規制下では使用者が労働者を雇用しづらい場合を想定して、4つの変形労働時間制度が設けられています。

以下のように事前に取り決めておくことで、ある1日、ある1週間について、法定労働時間を超えて就業させても、割増賃金が発生しません。

 

1カ月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)
(1)採用の要件
就業規則(その他これに準ずるもの)または労使協定(労働基準監督長への届出が必要)の締結のいずれかの実施
(2)就業規則(その他これに準ずるもの)または労使協定で規定する内容
a.1カ月以内の任意の期間を「変形期間」と定めます。
b.その変形期間の起算日を定めます。
c.変形期間で平均して、1週間当たりの労働時間が週法定労働時間を超えないことを定めます。
変形期間での労働時間の総枠:週の法定労働時間(40時間または44時間)×変形期間の暦日数(1カ月以内)÷7
d.この総枠内に収まるように、事前に労働日ごとに労働時間を特定しておきます。原則として、使用者がこれを業務の都合により任意に変更することはできません。
事前に特定した労働日の労働時間を超えて労働した場合には、割増賃金が発生することがあります。
e.労使協定でこれを定めた場合は、有効期間を定めます。

 

フレックスタイム制(労働基準法32条の3)
始業と終業の時刻の両方を労働者の自由な決定に委ねる制度です。
コアタイム(必ず労働しなければならない時間)やフレキシブルタイム(この時間帯の任意の時間に出勤・退勤ができる時間。コアタイムの前後に設定される。)を定めることもできます。
(1)採用の要件
就業規則(その他これに準ずるもの)および労使協定(ただし、届出不要)の締結の実施
(2)規定する内容
a.始業および終業の時刻をその労働者の決定に委ねる定め
b.フレックスタイム制の対象となる労働者の範囲
c.清算期間(1カ月以内の期間に限る。)およびその起算日
清算期間とは、1カ月以内の期間で、総労働時間及び賃金を清算する期間をいいます。
d.清算期間における総労働時間
1週間当たりの労働時間が週法定労働時間を超えないように定めます。
e.標準となる1日の労働時間
8時間を超えないように定めます。
f.コアタイム・フレキシブルタイムを定める場合の各々の開始および終了時刻

 

1年単位の変形労働時間制(労働基準法32条の4)
1カ月単位の変形労働時間制と同様の趣旨ですが、期間が長くなることから使用者に対する規制はより厳しくなっています。
(1)採用の要件
労使協定(届出必要)の締結の実施
(2)規定する内容
a.対象労働者の範囲
b.対象期間(1カ月超1年以内の期間)とその起算日
c.対象期間で平均して、1週間当たりの労働時間が週法定労働時間を超えないことを定めます。
d.特定期間(対象期間中で特に業務が繁忙な期間)
e.対象期間の労働日と労働日古語の労働時間
f.労使協定の有効期間
(3)労働時間の限度労働時間の限度が、1日・10時間、1週間・52時間とされています。
3か月を超える対象期間の場合、労働時間が48時間を超える週が連続する場合の週数が3以下であること、かつ、対象期間の初日から3か月ごとに区分した期間において、その労働時間が48時間を超える週の初日が3以下であることが必要です。
(4)労働日数の限度
3か月を超える対象期間の場合、1年あたり280日が限度とされています。
(5)連続労働日数の限度
6日です。特定期間については1週間に1日の休日が確保できる日数とされています。

 

1週間単位の変形労働時間制(労働基準法32条の5)
常時使用する労働者が30人未満である小規模のサービス業(小売業、旅館、料理店、飲食店)のみで採用が可能な制度です。
a.採用の要件:労使協定(届出必要)の締結の実施
b.1週間の各日の労働時間を、少なくとも1週間の開始前(前週末まで)には決定して、労働者に書面で通知する必要があります。もっとも、通知後緊急でやむを得ない事由が発生した場合には、変更しようとする前日までに書面により労働者に通知することにより、あらかじめ通知していた労働時間を変更することができます。
c.労働時間の限度:週の法定労働時間(40時間または44時間)の範囲内で、1日10時間までが限度とされています。

 

 

(参照条文)
労働基準法
第三十二条の二  使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
○2  使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

第三十二条の三  使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一  この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二  清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
三  清算期間における総労働時間
四  その他厚生労働省令で定める事項

第三十二条の四  使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一  この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二  対象期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月を超え一年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三  特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第三項において同じ。)
四  対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
五  その他厚生労働省令で定める事項
○2  使用者は、前項の協定で同項第四号の区分をし当該区分による各期間のうち最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を定めたときは、当該各期間の初日の少なくとも三十日前に、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働日数を超えない範囲内において当該各期間における労働日及び当該総労働時間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない。
○3  厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働省令で、対象期間における労働日数の限度並びに一日及び一週間の労働時間の限度並びに対象期間(第一項の協定で特定期間として定められた期間を除く。)及び同項の協定で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度を定めることができる。
○4  第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。

第三十二条の四の二  使用者が、対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、第三十七条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。

第三十二条の五  使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であって、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第三十二条第二項の規定にかかわらず、一日について十時間まで労働させることができる。
○2  使用者は、前項の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる一週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。
○3  第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。

 

労働基準法施行規則
第十二条  常時十人に満たない労働者を使用する使用者は、法第三十二条の二第一項 又は法第三十五条第二項 による定めをした場合(法第三十二条の二第一項 の協定(法第三十八条の四第五項 に規定する同条第一項 の委員会(以下「労使委員会」という。)の決議(以下「労使委員会の決議」という。)及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法 (平成四年法律第九十号。以下「労働時間等設定改善法」という。)第七条第一項 に規定する労働時間等設定改善委員会(同条第二項 の規定により労働時間等設定改善委員会とみなされる労働安全衛生法 (昭和四十七年法律第五十七号)第十八条第一項 の規定により設置された衛生委員会(同法第十九条第一項 の規定により設置された安全衛生委員会を含む。以下同じ。)を含む。以下同じ。)の決議(以下「労働時間等設定改善委員会の決議」という。)を含む。)による定めをした場合を除く。)には、これを労働者に周知させるものとする。

第十二条の二  使用者は、法第三十二条の二 から第三十二条の四 までの規定により労働者に労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において、法第三十二条の二 から第三十二条の四 までにおいて規定する期間の起算日を明らかにするものとする。
○2  使用者は、法第三十五条第二項 の規定により労働者に休日を与える場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、四日以上の休日を与えることとする四週間の起算日を明らかにするものとする。

第十二条の二の二  法第三十二条の二第一項 の協定(労働協約による場合を除き、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)には、有効期間の定めをするものとする。
○2  法第三十二条の二第二項 の規定による届出は、様式第三号の二により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。

第十二条の三  法第三十二条の三第四号 の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一  標準となる一日の労働時間
二  労働者が労働しなければならない時間帯を定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
三  労働者がその選択により労働することができる時間帯に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻

第十二条の四  法第三十二条の四第一項 の協定(労働協約による場合を除き、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において定める同項第五号 の厚生労働省令で定める事項は、有効期間の定めとする。
○2  使用者は、法第三十二条の四第二項 の規定による定めは、書面により行わなければならない。
○3  法第三十二条の四第三項 の厚生労働省令で定める労働日数の限度は、同条第一項第二号 の対象期間(以下この条において「対象期間」という。)が三箇月を超える場合は対象期間について一年当たり二百八十日とする。ただし、対象期間が三箇月を超える場合において、当該対象期間の初日の前一年以内の日を含む三箇月を超える期間を対象期間として定める法第三十二条の四第一項 の協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)(複数ある場合においては直近の協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)。以下この項において「旧協定」という。)があつた場合において、一日の労働時間のうち最も長いものが旧協定の定める一日の労働時間のうち最も長いもの若しくは九時間のいずれか長い時間を超え、又は一週間の労働時間のうち最も長いものが旧協定の定める一週間の労働時間のうち最も長いもの若しくは四十八時間のいずれか長い時間を超えるときは、旧協定の定める対象期間について一年当たりの労働日数から一日を減じた日数又は二百八十日のいずれか少ない日数とする。
○4  法第三十二条の四第三項 の厚生労働省令で定める一日の労働時間の限度は十時間とし、一週間の労働時間の限度は五十二時間とする。この場合において、対象期間が三箇月を超えるときは、次の各号のいずれにも適合しなければならない。
一  対象期間において、その労働時間が四十八時間を超える週が連続する場合の週数が三以下であること。
二  対象期間をその初日から三箇月ごとに区分した各期間(三箇月未満の期間を生じたときは、当該期間)において、その労働時間が四十八時間を超える週の初日の数が三以下であること。
○5  法第三十二条の四第三項 の厚生労働省令で定める対象期間における連続して労働させる日数の限度は六日とし、同条第一項 の協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は一週間に一日の休日が確保できる日数とする。
○6  法第三十二条の四第四項 において準用する法第三十二条の二第二項 の規定による届出は、様式第四号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。

第十二条の五  法第三十二条の五第一項 の厚生労働省令で定める事業は、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業とする。
○2  法第三十二条の五第一項 の厚生労働省令で定める数は、三十人とする。
○3  法第三十二条の五第二項 の規定による一週間の各日の労働時間の通知は、少なくとも、当該一週間の開始する前に、書面により行わなければならない。ただし、緊急でやむを得ない事由がある場合には、使用者は、あらかじめ通知した労働時間を変更しようとする日の前日までに書面により当該労働者に通知することにより、当該あらかじめ通知した労働時間を変更することができる。
○4  法第三十二条の五第三項 において準用する法第三十二条の二第二項 の規定による届出は、様式第五号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
○5  使用者は、法第三十二条の五 の規定により労働者に労働させる場合において、一週間の各日の労働時間を定めるに当たっては、労働者の意思を尊重するよう努めなければならない。

第十二条の六  使用者は、法第三十二条の二 、第三十二条の四又は第三十二条の五の規定により労働者に労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。

 

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